ARCHITORIUM OBAYASHI DESIGN PROJECTS

byOBAYASHI

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JOURNAL

vol.5

まちを編む

奈良県コンベンションセンター

まちを編む

「奈良らしさ」を体現する

日本の古都である奈良は、名だたる歴史と文化を有する地域である。奈良市中心部の県有地に、国際会議場、商業、宿泊、放送施設などを含む大型複合施設が生まれた。滞在型観光を中心に、新たなにぎわいの拠点を生み出すプロジェクトである。平城京を中心にして花開いた天平文化をモチーフとし、建物全体を「奈良らしい」デザインで統一した。たとえば、水平線を強調した軒、正倉院の校倉造(あぜくらづくり)にみられる木材の積層を模した外壁、寺社の回廊を思わせる列柱などである。また、施設の中心にある屋外広場には、集成材と鉄のハイブリッドフレームによる格子状の大屋根を掛け、天平建築の力強さを表現している。この大きな広場は「天平広場」と名付けられ、地域のシンボルとして人々を集めている。