ARCHITORIUM OBAYASHI DESIGN PROJECTS

byOBAYASHI

本サイトは縦画面でお楽しみいただけます。
お持ちのデバイスを縦にしてご覧ください。

NOW LOADING...

JOURNAL

vol.4

Happiness by Lighting

東京医科大学病院

Happiness by Lighting

前を向いて歩くために
 

自分や親しい人が病気から立ち直ることができるかどうか。不安を抱えながら過ごす病院において、少しでも気分が安らぎ、前向きになれるような空間とはなんだろう。
多くの診療部門が集まる総合病院で、慣れない人はどこへ行けばいいのかわからず、その迷いが不安を煽る。そこで、目的地となる場所に導いてくれるやわらかな光を天井に巡らせた。人々の心の拠り所を照らす光が、病棟フロアでは病棟ステーションを包む光のリングとして、外来フロアでは受付へと流れる光の川として、患者や来訪者を導く。それは行先表示のようなあからさまな表現ではない、角を出さない丸みを帯びた壁や天井のディテールによって、光はやわらかな印象となり、自然に導かれるような感覚を与えてくれるだろう。
1階の外来フロアには3層吹き抜けの「ひかりの回廊」があり、高い天井を活かして心が解放されるような空間を設計した。しかしここは西新宿の高密地域にある大規模病院であり、最先端の病院機能を持ったフロアが幾重にも積層されているため、吹き抜けを天空まで穿つような空間の余裕はない。そこであたかも陽の光のように時間によって光の強さや明るさが変化する照明で天井全体から吹き抜けを照らした。人々が抱える不安や、これまでの病院の閉鎖的なイメージを、明るく包み込む光で浄化した。