初めてタイに来たのはまだ学生の時、1999年だった。その頃のバンコクには高架鉄道も地下鉄もなく、三輪タクシーのトゥクトゥクが生活の足として疾駆していた。それから約20年。急激にスプロールした街には高層ビルが立ち並び、ショッピングモールにはハイエンドブランドが軒を連ねている。
街は変わったが、タイの人の好さには変わりがない。「サバーイ(心地よい)、サヌーク(楽しい)、マイペンライ(気にしない)」とはタイ人の気質を表すのによく使われる言葉だが、豊かな気候で育まれた国民性はそうそう変わらないのだろう。
仕事は忙しいが、週末には地元の人で賑わう市場で食材を買い、スパイスをふんだんに使ったタイ料理を作る。身体を動かしたくなればムエタイジムで汗を流し、天気の良い日は部屋の近くのベンジャキティ公園で本を読む。タイに来て1年半、タイ人に倣った「サバーイでサヌークでマイペンライ」な生活を送っている。
vol.4
HITO
Happiness of Working in Thailand