エクサバイト時代の情報をデザインする
自然豊かな郊外に建つデータセンターの計画である。外装デザインは細分化された線形のパターンをランダムに集合させたものとし、バーコードのようなデザインによって内包する膨大なデータを想起させる表現とした。小刻みな線形状のランダムさが生むゆらぎは、デジタルと自然との緩やかな融合を図り、建物と景観が調和する事を意図したものである。 このデザインは窓と壁によって構成されているが、これは開口率を適度に抑えるという機能的な意図がある。内部環境に対する熱負荷を低減することで省エネ性を 高めると同時に、外部からの視線の遮蔽にも配慮したファサードとなっている。 また、高い信頼性・冗長性を確保するため、ハイブリット免震構造により地震動による横揺れを低減。インフラ・設備機器は災害時に備え、国内最高レベルの性能を有している。
多様性を表出するデザイン
外装・内装部材は規格化を図りながらも一定のパターンを多様な線型で表現することで細分化されたデザインとした。これにより、データセンターが取り扱う膨大な情報の多様性を表現したものである。 この線型によるデザインは、内外装からサイン、ランドスケープに至るまで展開された。外装のリブパターンや内装素材のテクスチャー、目地表現などの細かなディテール、無窓空間の中で位置や情報を示すサイン、空間に落ちる影まで同一モチーフで統一している。 ある法則によって生み出される多様性は、植物や樹木のように自然の法則によって生み出される多様性に通じるものがあると考え、周辺の雄大な自然と融合し、木漏れ日のような柔らかい建築を目指したものである。