音楽と夢を奏でる学びの場
音楽を奏でる人やそれを立ち止まり聴き入る人、友人と語り合う人やひとり読書をする人、そんな思い思いに人々が集まるヨーロッパの街をイメージした賑わいのある広場がここにある。この広場は敷地の中央に設けられ、学生達が自然と集まる中庭形式のキャンパスとなっている。広場に集まる未来の音楽家たちがともに語りあい、そして響きあい、広場を取り囲む建物とともに、オーケストラのような風景をつくりあげている。これは音楽と夢を奏でる大学の物語である。
住宅地に生まれた中庭広場
キャンパスは、閑静な住宅地の中で大きな音を外部に出せず、高さの制約も非常に厳しい立地となっている。このような制約の中で、音楽大学という複合的な施設を建てることは容易なことではなかった。 そこで考えたのが、建物を敷地周囲に配置し、半地下に広場をつくるというアイ デアである。外部に対して閉じることで周辺環境への影響を最小限におさえつつ も、開放的なキャンパスとすることに成功した。キャンパスの中心に配置した半地下の中庭広場により、地下1階まで十分に光を取り入れることができ、豊かなキャ ンパスの環境をつくり出すことへつながった。 中庭広場を囲む建物は、教室、図書館、レッスン・練習室など機能ごとに独立している。これらの特徴的な個々の要素は中庭広場によって調和が図られ、キャンパス全体がひとつの街のような景観となっている。