ARCHITORIUM OBAYASHI DESIGN PROJECTS

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JOURNAL

vol.5

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地域に根差す建築とは?

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建築家 永山祐子氏×大林組設計部 佃和憲/ 石塚昌子/ 伊達翔/ 太田裕人(司会: 梅野麻希子)

近年、私たちを取り巻く環境は大きく様変わりした。特に新型コロナウイルスの影響は、特定の場所にとらわれないバーチャルなコミュニケーションを強く促した一方で、人や社会とリアルに関わることの重要性も私たちに再認識させた。建築がこれからも変わらずリアルなものであるならば、現実のコミュニティである「地域」との良好な関係性は、今後更に求められていくだろう。では、地域の人々と連携して建築が使われるためにはどうすれば良いだろうか。そのために設計者は何をすべきか。それらの課題をテーマに、2021年6月、当社設計部有志にて建築家・永山祐子氏とのトークセッションを開催した。地域に根差す建築とは、どのようなものだろうか。お互いの作品を紹介しながら、地域と建築の関わり方を探った。

梅野麻希子|永山さんは当社が施工したドバイ国際博覧会の日本館の設計をされていて、そのご縁で本日のトークセッションにお招きしました。まずは永山さんの作品の中で、特に地域との関係性が深い建築を紹介していただけますでしょうか。

永山祐子氏|まず豊島横尾館は、瀬戸内の豊島の港近くにある古民家をリノベーションした横尾忠則さんの美術館です。赤いガラスのスクリーンで日常と非日常の境界線をつくったり、庭や塔にはインスタレーションを配置しています。この民家は、長い間誰も住んでおらず崩れかかっていましたが、リノベーションにあたり地元の皆さんがワークショップでアート作品の庭の川床のタイル貼りをしたり、オープン前には餅まきイベントをしたりと、建築途中の段階から地元の人に知ってもらえる機会を積極的につくっていきました。